Last Update:2004/9/15 AM 5:08 ■Motionは、どんなソフト?Apple社が発売しているMotion(モーション)は、映像との合成を行うためのソフトです。一般的には合成ソフト/モーショングラフィックスソフトと呼ばれる部類に入ります。単純な映像合成ソフトというだけでなく静止画を動かしたりして映像を作成することもできます。 低価格帯での合成ソフト/モーショングラフィックスソフトと言えばAdobe AfterEffectsがあります(下記画面はAFterEffects 6.5)。 AfterEffectsは10年以上前からMacintosh版があり、長い間利用されてきました。AfterEffects以外ではコモーションやコンバッションなどの合成ソフトがあります。ハイエンドではインフェルノなどもあります。 数ある合成ソフトの中でMotionは約3万円という超低価格でありながら、リアルタイムに合成、エフェクト処理を行うことができます。あらかじめ用意されているパーティクルやモーションも多くあり、通常はこれら用意されたもので十分です。(下記画面はMotion) Motionの最大の利点はコストパフォーマンスでしょう。下手なAfterEffectsのプラグインを買うくらいならMotionを買う方が得です。逆に欠点としては要求するマシンスペックが高いという点があげられます。もっともリアルタイムに処理するためPower Mac G5であっても、エフェクトによってはリアルタイムに処理されず、もたついたりすることがあります。ざっと使った限りではメモリも2GB以上あるにこしたことはありませんが、CPUパワーの方がはるかに要求されます。悪く言ってしまえば2.5GHz DualのPowerMac G5であっても力不足です。ソフトは安いが求めるハードは高い=それなりのコストは要求されるという事になります。が、今までと比べれば格段に安いのは確かです。 Motionの良い点としてはAfterEffectsのエフェクトと違って、カテゴリにうまく分けられている上に、ドラッグドロップするだけですんでしまうことです。リアルタイム合成なので動かしたままパラメータの調節を行い、リアルタイムで確認することができます。これはAfterEffectsではできない芸当です。 タイムラインはパーティクルなどを使用した際には、いまいちな面もあります(余計なものまで表示される。というか、まあ確かにそうなんだけども、ちょっとというか余計なのは見せなくてもとは思います。作り方でうまくやる事はできますが)。レイヤーとレイヤーグループ(というべきかな?)にまとめられているので、AfterEffectsのようにプリコンポしてやるといった作業は不要です。 エフェクトなどのパラメータはインスペクタパレット内で指定でき、パレットが1つにまとまっているため、パレットで画面が埋め尽くされる、散乱するということはありません。例外としてダッシュボードがあります。これは選択したオブジェクトに応じて重要なパラメータを設定できるパレットです。半透明になっており、リアルタイムで動作を確認しつつ設定を変更する場合には便利です。 作成が終わったらファイルへの書き出しを行いますが、レンダリング作業はリアルタイムなのでかなり高速に書き出されます。ただ、バッチ的な書き出しができないみたいなのでAfterEffectsのように、最後にまとめてレンダリングということはできないようです。 FinalCut Pro HDを持っていないので分かりませんが、これら映像系のソフトとも連携できるようです。 3万円で、この機能だと使う方は良いのですが、FinalCut Pro の登場によりAdobe PremiereのMacintosh版が開発中止になったのを思い出してしまいます。では、MotionがAfterEffectsの代用品になるか? という点ですが、現時点ではAfterEffects 6.5の代用品にはなりません。AfterEffectsではできることがMotionでは、できないことが結構あるためです。悪く言えば機能不足。Final Cut Expressのユーザーには良いかもしれませんが、無駄に時間が費やされることもあります。映像系は時間が非常に重要なポイントなのですが、ちょっとリアルタイム合成ゆえに忘れ去られたような機能もあります(次のバージョンでは付きそうだけど)。 でも、PowerMac G5を持っていて映像を作ってみたいな、合成してみたいな、という人には非常に良いソフトです。 2004 Copyright 古籏一浩/openspc@po.shiojiri.ne.jp |