はじめに


■LiveMotion vs Flash ?
 LiveMotionはMacromedia Flashの対抗馬と言われることがあります。これはLiveMotionがswf形式のデータを吐き出せる事と、他のswf形式のデータを吐き出せるSWiSHなどと比べて補間ツールではないというイメージがあるからではないかと思います。
 Flashに対抗するならばToon Boom Studioの方では?と思ったりしますが、世間ではどうしてもLiveMotion vs Flash 5/MXという構図になってしまうので、後追いのLiveMotionは圧倒的に不利です。だいたい1〜1年半近いタイムラグができてしまいます。

■LiveMotion 1.0
 LiveMotion 1.0はFlash 3の吐き出すswf形式のバージョンしかサポートしていませんでした。ちょうどこの時点でFlashはバージョン5になったため、ActionScriptという部分において大きく差を付けられました。また、Flashは絵を描いて、それを動かすというタイプなのに対してLiveMotionは他のAdobeソフト(Photoshop, Illustrator)などと連携し、そのデータを流用するタイプのため絵を描く機能はFlashとは比較にならないほど低機能です。(流用という点ではLiveMotionはImage Stylerの改造版)
 LiveMotion 1.0は必然的にFlash 5と比較されたため、どうしようもない状態でした。単体では機能不全状態で、いろいろ揃えるとかなりの値段になり、ほぼ全ての面において売れない要因を持っていました。

■LiveMotion 2.0
 LiveMotion 2.0ではFlash 5のswf形式を吐き出せるようになり、ようやく追いついた時期に、運悪くFlash MXとなり1〜1年半遅れの状態が続いています。
 しかし、Flash MXが大幅な値上げ、LiveMotion 2が大幅な値下げ&GoLive 6とのセット販売となり値段では一応お得になったと言えます。もっとも、だからと言って購入者が増えるとは言えません。LiveMotion 2の最も根元的な問題は「誰が使うのか」という点にあるのでしょう。
 絵を描くという点ではLiveMotion 1.0と同じなのでデザイナーさんや絵を描いて動かしたい人の購入対象にはならないでしょう。他のAdobeソフトと組み合わせて動画を作成するとなると、すでにAdobe AfterEffectsという高機能合成ソフトがあります。

■ソフトを使うのか使われているのか
 LiveMotion 2は見た目は以前のバージョンと変わりませんが、相当に機能が追加されています。また、自己拡張可能なアプリケーションとしては、かなり低価格です。ハイエンド3DソフトMAYAのように何でもカスタマイズ、機能追加とはいきませんが、LiveMotion 2ではアプリケーションの機能不足を補う手段が用意されており速度面を除けば何でもできます。ファイルへの読み込み/書き込みなどもできますから標準ではサポートされていないSVGやPDF、他のファイル形式への書き出しが可能です。テキストをHTMLに変換するコンバーターなども可能です。技術力さえあればLiveMotion 2上で自作アプリが低速ながら動作させることも可能です。
 LiveMotion 2は標準状態では機能不足とも言えますが、その機能不足の部分を自分の技術力で何とかしようと試みるのも面白いのではないか、ソフトに使われるのではなく使ってみようと。ユーザーは少ないであろうと思いつつ、このページが存在するのはそんな理由があります。

■情報格差/選択肢
 このページを作成した2002年7月4日現在、日本ではLiveMotion 2の書籍は出ていません。しかし、米国ではすでにLiveMotion 2の書籍が出ています。日本には再販制度があるのにマイナーなソフトの本は出ることは滅多にありません。もし出たら即購入しないと増刷されないため逃したら情報がなくなってしまう状態になります。多様な選択肢があった方が良いのですが、日本だと「これだっ!」と決め撃ちされてしまう事が多々あります。多様な選択肢を持っている方が良いのではないでしょうか。