ボタンも押さずにバックアップ (MacOS X Panther編)

 Maxtorの大容量ハードディスクにはボタンがついていて「ワンタッチでバックアップ」できるようになっています。日頃のバックアップは面倒なのでワンタッチでできるのは凄く便利だと思います。しかし、私のようにボタンを押すのも面倒だったり、疲れてボタンを押し忘れてしまったりした場合は、どうすればいいんでしょう?
 こういう毎日のバックアップはボタンなんか押さずに毎日午前4時とかにコンピューターが自動的にやってくれると便利です。幸いにしてMacOS XではUNIXコマンドが使えるので、完全に自動バックアップが可能です。今回はMacOS X標準のメールソフトのフォルダをまるごとバックアップしてみます。

 まず、ターミナルを起動しましょう。アプリケーションフォルダのユーティリティフォルダ内にあります。以下のコマンドを入力してください。

tar zcf ~/mailBack.tgz ~/Library/Mail

----- 実際の表示 -----
PowerMacG5x2:~ openspc$ tar zcf ~/mailBack.tgz ~/Library/Mail
tar: Removing leading `/' from member names
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 するとメールボックスが自動的に圧縮されて自分のホームフォルダ内にmailBack.tgzというファイルができあがります。~/mailBack.tgzが保存するパスとファイル名、~/Library/Mailが圧縮するフォルダのパスになっています。ここを変更すれば、好きなフォルダを圧縮することができます。しかし、同じハードディスクにバックアップしたのでは、なんか不安です。やはり外付けの別のハードディスクにバックアップするべきですね。MacOS Xでは外付けハードディスクがある場合には/Volumesフォルダ内にマウントされるので

cd /Volumes/

 と入力後に

ls -l

 と入力すると接続されているハードディスクの一覧が表示されます。

----- 実際の表示 -----
drwxrwxrwx 18 openspc unknown 612 3 May 18:48 HDD250GB
drwxr-xr-x 16 openspc unknown 544 3 May 18:48 HDD300GB
drwxr-xr-x 14 openspc unknown 476 3 May 18:48 HDD300GB3
drwxr-xr-x 22 openspc unknown 748 3 May 18:48 HiVision
drwxr-xr-x 17 openspc openspc 578 3 May 18:48 IDE200GB
lrwxr-xr-x 1 root admin 1 4 May 23:20 Macintosh HD -> /
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 ここで外付けの300GBハードディスクであるHDD300GB(マウントされているボリューム名)にメールのバックアップを行ってみましょう。保存先だけを変えるので以下のようになります。

tar zcf /Volumes/HDD300GB/mailBack.tgz ~/Library/Mail

----- 実際の表示 -----
PowerMacG5x2:~ openspc$ tar zcf /Volumes/HDD300GB/mailBack.tgz ~/Library/Mail
tar: Removing leading `/' from member names
---------------------------

 外付けハードディスクにメールのバックアップができあがっています。ちなみに解凍はStuffItなどでできます。また、Windowsなどで利用されているZIP形式で圧縮する場合は以下のようにします。まあ、こっちの方が良いかもしれません。

●ホームフォルダにバックアップ
zip -r ~/mailBack.zip ~/Library/Mail

●外付けハードディスクにバックアップ
zip -r /Volumes/HDD300GB/mailBack.zip ~/Library/Mail

 さて、これで下準備ができあがりです。次に毎朝午前4時に自動的にバックアップするように設定します。ターミナルで以下のように入力します。

crontab -e

 入力すると編集画面になります。まず、iのキーを押してください。押したら以下のように入力します。

0 4 * * * zip -r /Volumes/HDD300GB/mailBack.zip ~/Library/Mail

 入力したらescキーを押してから:(コロン)を押してwqと入力しリターンキーを押します。もし、入力ミスしてしまったら(慣れていない人は)、escキーを押してから:q!と入力してください。その後は再度crontab -eと入力してください。コマンドキー+Vでペーストできるのでコマンド部分は完全に動くものをコピーしておくと良いでしょう。
 入力が終わったら

crontab -l

 と入力してください。先ほど入力した内容が表示されます。これで午前4時に自動的にメールがバックアップされます。午前2時がいいという人は0 4 * * *という部分を0 2 * * *にしてください。朝の8時半がいいならば30 8 * * *にします。

 他のフォルダもバックアップしたいなあ、という人はcrontab -eで

0 4 * * * zip -r /Volumes/HDD300GB/mailBack.zip ~/Library/Mail
30 4 * * * zip -r /Volumes/HDD300GB/mailBack.zip ~/Documents

 という具合に並べて書いてください。