■JavaScriptとは?

 JavaScriptとは何でしょう? Webサイトを作成した事がある人の中には聞き覚えのある名前ではないでしょうか。JavaScriptはユーザーの反応に応じてブラウザに対して命令を出していろいろな処理を行わせることができます。例えばボタンの上にマウスを乗せるとボタンの色が変わったりするのもJavaScriptの働きによるものです。また、FlashにもJavaScriptが搭載されておりActionScriptと呼ばれていますが文法や書き方など基本的な部分は全く同じです。

 手軽で一番多く普及しているスクリプト言語がJavaScriptです。インターネット上で多く利用されているという理由もあり、Web上にも入門サイトが多数あります。多くの人が使える手軽なスクリプト言語とも言えます。
 が、誰に対して手軽かと言えば普段プログラム制作したりしている人から見て簡単なだけであって、そうでない人から見れば「英単語と数字の羅列」みたいなものでしかなく、意味不明とも言えます。日本語で作れたら楽だろうと思う人もいるかもしれません。確かに過去にはMindやAppleScript、ひまわり*1、また一部のBASIC (M25)などは日本語でプログラムを作成することができます。結果的に言えば英語で作っても日本語で作っても、根本的には変わりなく「実現すべきことを、どういう手順で行うか」が非常に重要なだけです。この手順のことをアルゴリズムやロジックなどと呼びます。

 初心者が、なかなかうまくプログラムを作れないのはプログラム言語が英語だから、ということではなくて手順が分からないためです。これは、たくさんのプログラムを作成することで身に付いていきます。つまり、いろいろなことができるようになるまでには時間がかかるということです。入門書などに一週間で身に付くとか、すぐに分かるとか書いてあるものがありますが、それは簡単なものならという条件付きです。プログラマという専門職があるくらいですから、一週間や一ヶ月そこそこで実務レベルにまで持って行くのは無理があります。

 また、初心者特有の勘違いとしては「全ての命令を覚えないとプログラムは作れない」というのもあります。これも間違いです。全ての命令を覚える必要はありません。その変わり、使える命令を列記した「リファレンス」があると便利です。Illustrator CSはCD-ROMの中にPDFとして収録されています。何かしたい場合に、それが手軽にできる命令があるかどうかを、このリファレンスを使って調べます。最初のうちは、該当する命令がなければ、さっさとあきらめてしまうのが良いでしょう。慣れないと時間ばかり消費してしまい、本業に響くからです。

 また、Web上で利用されているJavaScriptとIllustrator CSでのJavaScriptは基本的な部分では同じですが、ブラウザ固有の部分、Illustrator CS固有の部分に関しては全く互換性がありません。このため、Web用のJavaScriptの入門書を買ってきても、最初のサンプルからして全く動かないという状態になります。また、Illustrator CSでのJavaScriptの書籍もなく、日本語での資料も少ないため、とっつきにくいという状態になっています。

 このサイトでは、なるべく多くのサンプルを用意してあります。また、Illustrator 10に関してはIllustrator 10自動化作戦*2という書籍を出していますので、そちらを参考にしてください。10とCSでは、かなりの差があるため、日本語を扱うならば10、そうでなければCSという具合に割り切ってもらった方が良いかもしれません。

*1 http://hima.chu.jp/doc/
*2 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4839913544/openspace0d-22